あなたは図書室に向かうことにした。図書室に近づくにつれ、陰陽盤の反応が大きくなる。 鍵を使って図書室の扉を開ける。真っ暗で静かな空間。異様に冷たい空気があなたを迎えた。
校長から渡された資料の中には、司書教諭の証言が書かれていた。
図書室室から足音とすすり泣きが聞こえるという生徒の相談を受けた司書教諭は、誰かのいたずらだろうと思い、その犯人を調べるために、放課後の誰もいない図書室に残ったという。その時、誰もいないはずの図書室から足音が響き、「ない……ない..……」と誰かが泣いている声が聞こえてきたという。 そして、片付けたはずの机の上にいつの間にか一冊の本が置かれており、風もないのにパラパラとめくれていたという。その時、司書教諭は人影を見たという。この学校の制服を着た女子生徒を。
その生徒は、一年前の夏に亡くなった本田透子だった。よく夏休み中も図書室で小説を借りており、司書教諭も顔を覚えていた。
図書室に出る幽霊はその本田透子ではないかと資料には書かれていた。
資料に目を通していると、コツコツと足音が聞こえてきた。鼻をすする音もしている。「ない……ない……最終巻はどこなの……」
少女の声が聞こえてきた。
いつの間にか、近くの机には本が置かれていた。その表紙からどうやら恋愛小説のようだ。 小説を調べると、その小説の作者は最終巻を書き上げる前に亡くなってしまったようだ。
本田透子は好きだった小説の最後を読めなかったことに未練があるのだろう。 しかし、この世に最終巻はない。どうしようか。