あなたは少女の手を振りほどき、自分が退魔師であり、祓いに来たことを告げた。この少女を今祓わなければ、いつか生徒が鏡に取り込まれてしまうだろう。
少女は一瞬、言葉の意味を理解できずに固まった。
やがて、顔が歪み、目に涙が溜まっていく。
「…騙したのね。来てくれて嬉しかったのに…!」
その声は、悲しみと怒りが混ざったような響きだった。
鏡の世界が揺れ、空気が冷たく変化する。
少女の姿がぼやけ、周囲に黒い靄が立ち込める。
あなたは陰陽盤を掲げ、札を取り出す。
だが――
「出て行って! もう誰にも会いたくない!」
少女から強い力が放たれ、札もあなたの体も弾き飛ばされる。
視界が歪み、気づけば元の保健室に戻っていた。
鏡は、ひび割れていた
。陰陽盤は沈黙し、何の反応も示さない。
少女は怒っている。きっと姿を現さないだろう。
あなたが落胆しながら、保健室を出たとたん――
バンッ!
扉が勢いよく閉まり、鍵がかかる音が響く。
ドアノブを回しても、拒絶されたように開かない。
保健室は、“封じられた場所”となった。
保健室の怪異、失敗
陰陽盤は沈黙したまま。
あなたは静かに息を吐き、次の怪異へと歩みを進める。
鏡の中の少女は、まだそこにいる――
誰かが、彼女の心に触れるその時まで。
気を取りなおして次に行こう。