あなたは、迷わず大きな金魚を狙います。
「またその金魚? 無理だよ、他の金魚にしようよ」
アキの忠告を無視して、大きな金魚をすくい上げようとしました。
ポチャン……
「あーあ…」
アキが落胆の声をあげます。
「ほれ、最後の一回だ」
あなたはおじさんからポイを奪い取り、すぐに大きな金魚に狙いを定めます。
「……」
アキは何も言いません。
ポチャン…
ポイはむなしくも破けてしまいました。
「残念だったね」
おじさんは淡々とそういうと、あなたたちに興味を失ったように作業に戻り始めました。
あなたは、ポケットから300円を取り出すと、おじさんに突き出します。
「まだ挑戦するのか?」
おじさんは怪訝そうな顔をしましたが、あなたにポイを渡しました。
「もう、その大きい金魚はやめようよ」
それでもあなたは大きい金魚を狙いました。
ポチャン…
ポチャン…
ポチャン
あなたの足元には破れたポイでいっぱいになりました。
あなたは、テーブルに置かれたポイを掴むと、再度挑戦します。
何度も挑戦したおかげでしょうか。コツをつかみ始めて、大きな金魚をポイのふちに引っ掛けることができました。
「お!」
パチャ!!
水しぶきがあなたの顔にかかります。
大きな金魚は、あなたの手にある桶の中を悠々と泳いでいました。
「わあ! 取れた!! すごい! すごい!」
アキは大喜びです。
あなたとアキが金魚すくい屋から離れようとしたとき、おじさんの大きな手があなたの前に差し出されました。
「おいおい、お金を忘れているよ。君、お金払う前に再挑戦したでしょ」
あなたは、慌ててポケットを探りました。そしてサッと青ざめます。
恐る恐るポケットから手を取り出し、手を開きました。中には100円玉が一枚だけでした。
それを見たおじさんは、怖い顔をして言いました。
「200円足りないね。それじゃしょうがない。君たちはここからもう出ることはできないよ」
目の前のおじさんがすっと煙のように消えました。
あなたとアキはその光景に驚きます。さらに、異様な雰囲気に気が付きました。
今まで、どこにでもあるような楽しげだった祭りの様子は一変していたのです。
黒い霧が足元に充満し、赤い提灯が紫色に変わっていました。そして、屋台の店の人は、異形な姿に変化していたのです。
「おいで、おいで」
「人間さんおいで」
「僕の屋台の商品になって」
異形の物があなたとアキを囲みました。
エンド 捕らえられた人間